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ペットロスとは?
「ペットロス」は「ペットを失った」というダメージによって生じる喪失感や悲しみをさします。ペットは「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」とも呼ばれ、家族同然の存在となっていることが多くあります。最愛のパートナー、家族、友人という存在になっている方も多いでしょう。
しかし残念ながらペットの寿命を考えると、飼い主さんが最期を看取ることがほとんどです。また突然の事故や行方不明など、心の準備ができないままにペットと別れることもあります。このようにペットを失ってしまうことによる喪失体験が「ペットロス」です。
ペットロスになってしまう原因
ペットロスになってしまう原因を、あらためて考えてみましょう。
原因は喪失感や罪悪感
愛する動物の存在、を失った「喪失感」が最も大きいでしょう。また「あのとき自分が連れ出さなければよかった」「窓を開けたまま出かけた自分のせいだ」「治療が間違っていたのでは」など、ペットの最期について後悔したり、自分を責めたりすることも原因となります。
特にペットに関しては、人間が管理・飼育する立場であることからも責任を感じやすいという特徴があります。
ペットロスになることは正常な反応
愛する存在を失ったことで、悲しくなることや大きなショックを受けることは当然のことです。ある意味正常な反応なので、悲しんで落ち込むことを恥ずかしがったり、大の大人なのに情けないと思ったりする必要はありません。
ペットロスの期間や症状は?
ペットロスはどのくらい続くのでしょうか。あまりに長い場合は、専門医に相談する必要があるかもしれません。
2ヶ月くらい続くペットロス
ほとんどの方は2ヶ月くらいペットロスの状態が続くようです。2ヶ月以上たっても変わらない、症状が治まらない時は専門医やペットロスカウンセラーなどの力を借りることを検討しましょう。
身体症状と精神症状がでる
ペットロスでは、食欲不振や下痢、吐き気、睡眠障害、頭痛、めまいなどの身体症状のほかにも、不安感や孤独感、悲観的になる、パニック、幻覚や幻聴など精神症状がでることもあります。
しかしこれらはペットロスの症状としては正常な反応なので、過度に心配しすぎないことも大切です。「自分だけおかしいのではないか」「こんなに寂しいのは自分だけだ」などと思わないことが大切です。
ペットロスを乗り越える方法
ペットロスを乗り越えるには無理する必要はなく、区切りをつけながら徐々に気持ちを整理していくことがポイントです。
お葬式などで心に区切りをつける
ペットが亡くなった場合は、お葬式をする、動物霊園に埋葬するなどの区切りをつけるのもいいでしょう。悲しみからなかなか抜け出せない時はペットの仏壇を置いたり、ペットの骨をキーホルダーやネックレスに入れられるメモリアルグッズを利用したりしてみましょう。「愛するペットはいつもそばにいる、見守ってくれている」という気持ちになれます。
ペットの思い出をつづる
ペットとの写真を集めて思い出アルバムを作ったり、ペットの生涯を記録してまとめたりしてみましょう。また天国のペットへ、気持ちをつづった手紙を書くこともいい方法でしょう。
「ああすればよかった」という後悔ではなく「楽しいことがたくさんあった」「いい子だった」という楽しい思い出に変えていくことができます。
誰かに話を聞いてもらう
人につらい気持ちを話すことで、心の整理がだんだんできるようになります。ペットロスの経験者など同じ経験をした人、最期を看取ってくれた獣医師、動物看護師、カウンセラーなどに話を聞いてもらうのはいい方法です。家族でそれぞれの思い出を語りあうのもいいですね。
落ち着いたら次の子を迎えるのも
ペットとの別れを経験するともうペットは飼いたくない、と思う方も多いでしょう。しかし新しくペットを飼うことは、しあわせになる動物が増えることにもなります。
今まで一緒にいてくれたペットに悪いから、という罪悪感を抱く方もいますが前向きにとらえていくことも大切です。ペットを飼える環境なら、新しいペットを迎えることを検討するのもおすすめです。
近くにペットロスの人がいたら
なかなか立ち直れないご家族、友人など身近にペットロスの人がいたら、できることがあります。悲しみを分かち合い、思い出を共有しましょう。
黙って話を聞くことが大切
つらいこと、悲しいこと、ペットの思い出など、あいづちをうちながら黙って話を聞くという姿勢が大切です。人は話すだけでも気持ちが安らぐもの。その人のペットへの思いを静かに受け止めます。
考えや意見を押し付けない
「早く立ち直らなきゃ」「いつまでもくよくよしないで!」など自分の考えや、意見を押し付けることは、たとえ正しいことを言っていたとしても相手を傷つけるだけです。一方的に意見を押し付けないように気を付けます。
新しくペットを飼うことを、無理に勧めることもよくありません。相手の喪失感や悲しみをわかる努力をする、それがペットロスから抜け出す手助けになります。
まとめ
一緒にいた時間が長くても短くても、ペットと過ごした日々はかけがえのないものです。愛する存在を失った悲しみを、我慢する必要はありません。十分に悲しんで、そして自分なりの方法で無理をせず区切りをつけていくことで、ペットロスから抜け出すことができます。
少しずつ立ち直りペットロスから抜け出す頃には、ペットとの楽しかった思い出を胸に抱き、また前を向いて歩いていけるようになります。