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室内犬を飼うなら小型犬
犬を飼うのが初めての方は、小型犬から選ぶとスムーズです。もちろん大型犬や中型犬も室内で飼うことは問題ありません。ただ例えばマンションやペット可の賃貸の場合でも、動物の大きさの規制が設けられていることがあり、大型犬は飼えないことがあります。
また飼い主さんのライフスタイルによっては、長時間の散歩や運動が難しい場合もありますし、高齢の方では、活発な大型犬に引っ張られてしまうこともあります。家族構成やライフスタイルを合わせて考えて、ご自分にとって飼いやすい小型犬を見つけてください。
初心者で小型犬を選ぶポイントは?
小型犬の中から選ぶポイントをひとつひとつ見ていきましょう。
臭いや抜け毛が少ない
初心者の方にとって、臭いや抜け毛が少ない犬は飼いやすいでしょう。特に毛の生え方が「シングルコート」の種類は、抜け毛が少ない傾向にあります。とはいえどんな犬も多少の臭いや抜け毛はあります。コミュニケーションもとれるので、ブラッシングなどのお手入れはしてあげましょう。
しつけがしやすい
トイグループやコンパニオングループなど愛玩動物としての歴史が長い犬種は、しつけがしやすい傾向があります。頭が良いと言われる犬種を選ぶといいでしょう。むずかしいときは、しつけ教室を行っている動物病院で相談するといいですよ。
性格が温厚である
温厚な犬はしつけもしやすく、誰とでも仲良くなれるので飼いやすいでしょう。初めてあった人に、うなったり咬みつこうとしたりしない子を選ぶといいですね。
健康的で丈夫である
鼻水や目ヤニが出ていない、やせすぎ、太りすぎていない子を選びます。遺伝疾患、感染症や持病がないかもチェックしておくと安心です。
おすすめの犬種とその理由は?
それではここから、初心者が飼うのにおすすめの小型犬種をご紹介します。犬それぞれの個性もありますが、犬種での傾向はありますので参考にしてください。
トイプードル
体重は6~8㎏、体高は20~25cmです。トイプードルはなんといっても「頭の良さ」と「抜け毛が少ない」ことがおすすめポイントです。社交的でしかも忠実なトイプードルは、頭も良くしつけしやすい犬種で、大切なコンパニオンアニマルとなるでしょう。抜け毛は少なくアレルギーの方も飼いやすいのも特長です。ただ毛は伸びるので、定期的なカットが必要です。
チワワ
超小型犬に分類されることもあるほど小さく、体重は1~3Kg、体高は15~23cmです。愛くるしい見かけによらず活発で、意外と大胆です。飼い主さんに忠実で、番犬のような働きをすることもあります。
毛色は大変豊富で、毛の長いロングコートチワワと、短いスタンダードがいます。散歩は必要ないと売られていることもありますが、毎日の散歩はストレス解消にもなるので必要です。
ミニチュアダックスフンド
もとはアナグマやウサギを追う犬として活躍した、短い脚と長い胴が愛らしい犬種です。体重は4~5㎏、体高は13~25cmです。臭いも少なく、聡明で勇敢な犬種です。長毛の子はブラシをていねいにかける必要があります。注意が必要なのは、胴が長いため腰に負担がかかりやすいこと。高いところから飛び降りるなど、無理な運動はしないように気遣ってあげましょう。
マルチーズ
世界最古の愛玩犬として知られるマルチーズは純白の長毛が特徴で、体重は2~3㎏、体高は20~25cmです。ぬいぐるみのような愛くるしさがあり、貴婦人のペットとして古くから可愛がられていた犬種です。愛情が深く、活発で陽気なため小さなお子さんにも良くなつきます。白い被毛は、丁寧にくしとブラシで梳いてあげる必要があります。
シーズー
どこかオリエンタルな雰囲気のシーズーは、「菊の花の犬」と呼ばれることもある中国原産の愛玩犬です。体重は5~7㎏、体高は25~27cmです。人間だけでなく他の動物にもフレンドリーで、愛玩犬としてピッタリです。ただちょっと頑固な一面もあり、高貴な犬として飼われていた名残かもしれません。被毛は伸びてくるので、定期的にブラシしてあげましょう
キャバリア
中世の騎士「ナイト」を意味するキャバリアは、イギリスで人気の高い犬種です。体重は5~8㎏、体高は31~33cmで、ウェーブのある絹糸のような毛質が特徴です。人間の気持ちに応えてくれる上、温厚で、優しい犬なので家族の一員となってくれるでしょう。運動が好きなので、散歩は欠かせません。
ヨークシャテリア
「動く宝石」と例えられるほど、毛並みの美しい小型犬です。体重は2.5~3.5㎏、体高は22.5~23.5cmです。もともとはネズミの狩りをしていた犬種が入っているためか、大変元気のある機敏な犬です。性格は明るく、頭の良い犬種で良きパートナーになってくれます。抜け毛はほとんどありませんが、定期的なカットやブラッシングなど、毛の手入れは必須です。
パピヨン
特徴のある耳の形が蝶のように見えることから、フランス語で「蝶々」を意味するパピヨンと名付けられました。体重は4~5㎏、体高は20~28cmです。マリーアントワネットにもかわいがられていたというパピヨンは、どこか高貴な雰囲気があります。臭いも少なく、しつけしやすい知性的な犬です。見かけによらず活発で運動好きな一面もあります。
フレンチブルドッグ
フランス人に愛されてきたフレンチブルドッグは、「こうもりの羽のような耳」が特徴です。体重は10kg程度で、体高は30cmほどです、鼻ぺちゃで、ややずんぐりした体つきをしています。活発で頭が良く、性格も温厚なため愛情豊かなコンパニオンドッグとして飼いやすい犬です。暑さには大変弱いので、気を付けてあげる必要があります。
パグ
パグは17世紀末頃には、貴族や王族のペットとしてかわいがられていたという歴史のある犬です。体重は6~8㎏、体高は25~28cmです。目は非常に大きく出ていて、つぶれたような鼻が特徴ですが、大変愛想が良く愛情深い犬種です。お世話もそれほど時間がかかりません。フレンチブルドッグ同様、暑さに弱いので夏は注意が必要です。
犬を飼う上での注意点は?
犬は衝動買いをしたり、気まぐれで飼ったりするものではありません。犬の生涯に責任を持ち、最期まで面倒を見るという気持ちが大切です。
一つの命を預かるという自覚を持つ
犬を飼うということは、犬の命を一生預かるということです。飼ってみたら思っていた犬と違う、面倒を見られなくなった、など人間の都合で手放すことなどはないようにしましょう。
犬は人間の約4倍の速さで年を取ります。ほとんどの場合、飼い主さんが最期を看取ることになります。犬の命を最期まで預かり、幸せな日々を過ごせるようにすることが大切です。
環境面/費用面で問題ないか確認する
犬が飼える環境か、犬にかかる費用をきちんと出せるかということも確認しましょう。ペットを飼えない賃貸住宅では犬は飼えません。毎日散歩に行けるか、留守の時間が長すぎないか、旅行や出張で家を空けてしまうことはないか、なども考える必要があります。
また犬を飼うには、餌代はもちろん病気やケガの治療費がかかることがあります。定期的なワクチンやフィラリア予防薬を与える必要もあるので、費用を出せるかどうかも確認しておきましょう。
まとめ
室内で犬を飼うメリットはたくさんあります。飼い主さんは餌を与えたり、ブラシをかけたりしやすく、犬も寒さや暑さ、寄生虫から身を守りやすくなります。なによりいいことは、いつもそばにいられること。犬も飼い主さんもお互い安心して過ごすことができ、癒される時間が増えることでしょう。
初めての方は、飼いやすい小型犬を選ぶことをおすすめします。子犬にこだわる必要はなく、しつけのすんでいる穏やかな成犬を選ぶのもいい方法です。環境面や費用面について、そして犬という一つの命を預かる気持ちが整ったら、大切な家族になる犬を探してみてください。