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チワワがなりやすい病気とは?
チワワは膝蓋骨脱臼・水頭症・角膜炎などが特に知られています。他にも僧帽弁閉鎖不全症・気管虚脱などもあげられます。ここでは膝蓋骨脱臼・水頭症・角膜炎について詳しく解説します。
膝蓋骨脱臼
原因
後肢の膝蓋骨、つまり「膝のおさら」が本来ある位置からずれてしまったり、外れたりする状態です。内側にずれる内方脱臼、外側にずれる外方脱臼がありますがチワワがかかる脱臼の多くは、内方脱臼です。
症状
遺伝的な要因で生じ、環境によってさらに悪化します。ケンケン足で歩く、足を引きずる、歩きにくそうにするなどの症状がみられることがあります。放置すると前十字靭帯が損傷されたり、変形したりすることもあります。さらに足を使わずにいると膝蓋骨脱臼になっている足がやせて細くなってしまいます。
対策
歩き方が変だと思ったらすぐ動物病院を受診しましょう。治療は手術となることが多くなります。日頃から高いところからジャンプさせないように注意する、ステップを用意する、フローリングは滑りにくいカーペットを敷くなど対策をとって予防しましょう。膝に負担がかけないためにも、太らせないことも大切です。
水頭症
原因
水頭症は、脳の中にある脳脊椎液が過剰に増えたり流出が妨げられたりすることで脳圧が上がっていく病気です。
症状
妙に頭が大きい、突然攻撃的になる、吠える、頭を触ろうとすると嫌がるという症状のほか、視力が低下したことでものにぶつかる、うまく歩けないなどの症状がみられることもあります。
対策
いつもと違う、という時は早めに動物病院を受診しましょう。脳圧を下げる薬剤を用いるなどの治療や、脳脊髄液を脳室からお腹のほうへ流す手術などがあります。特に症状が見られなくても、「うちの子なんだか頭が大きい?」と思ったら早めに相談しておくことも大切です。
角膜炎
原因
チワワの大きくてかわいいつぶらな目は、外傷を生じやすく角膜炎になりやすい目でもあります。目を強くこする、異物が入る、ぶつける、またはケンカで目を傷つけるなどで角膜に炎症が起こります。また逆さまつげも角膜炎症の原因になります。
症状
目をしょぼしょぼさせる、目の周りが涙で汚れる、角膜が白っぽく見えるなどの症状があります。角膜に潰瘍ができてしまうと、痛みが激しくなります。
対策
目を気にしている、しょぼしょぼさせているというときは急いで動物病院にいきます。角膜炎は放置すると失明してしまうこともあるので、気を付けましょう。
なりやすい病気は他にも多々あり
ほかにチワワがなりやすい病気は他にもいくつかあり、次のような病気があげられます。
気管虚脱(きかんきょだつ)
気管が途中で押しつぶされることで、呼吸困難になる病気です。運動のあとや食後に乾いた咳が続くようになります。
僧帽弁閉鎖不全症
高齢にさしかかるチワワがかかりやすい心臓の病気です。心臓にある左心房と左心室という2つの部屋の間には、ドアの役目をしている僧帽弁があります。この僧帽弁がなんらかの原因で、きちんと閉じなくなってしまう病気です。
きちんと閉じないことで血液の流れが逆流してしまいます。空咳がでるようになる、散歩の途中で歩けなくなる、ひどくなると失神するなどの症状も見られます。
チワワの震えって大丈夫なの?
チワワが震えていると、具合が悪いのか心配になるのではないでしょうか。体温調節などが原因で震えるほか、病気の前触れで震えることもあります。震えているときはチワワの食欲や様子はもちろん、周囲の環境も確認してみましょう。
体温調節などで震えている
チワワは寒がりな子が多い犬種です。散歩中に冷たい風が吹きつけて震えたり、冬の朝など震えたりしていることがあります。
また、雷が鳴っている、見慣れない他の犬に会った、動物病院で診察台に上がったなどが怖くて震えていることもあります。状況が変わって震えが治まったら、病気ではなく怖かったということになります。いつまでも震えている時は、受診しましょう。
震えが病気の前兆であることも
症状に「震え」がある病気があるので注意してあげましょう。食欲が低下していないか、元気はあるか、触られると嫌がるところはないかなども確認しましょう。症状に震えがある病気には次のようなものがあります。痛みそのものでも震えがでることがあります。もちろん「震え=病気」ではありませんが、いつもと様子が違う時は受診しましょう。
てんかん発作
てんかんの症状のひとつで、発作の前に震えを起こすことがあります。他にはよだれを流したり、目をぱちぱちさせたりすることもあります。
低血糖
血液中のブドウ糖濃度が低下することで、体がぐったりします。震え、けいれん、昏睡を起こすことがあります。若齢の場合は空腹など、成犬ではすい臓がん、糖尿病治療のインスリン過剰投与が原因になることがあります。
尿毒症
腎臓の働きが低下すると、血液のろ過率も低下してしまいます。そのため老廃物を尿にだすことができなくなり、血液中には有害物質が溜まってしまいます。そして体内の他の臓器にも異常が生じてしまいます。
中毒
犬にとって有毒なものを口にしてしまったとき、中毒症状として震えが生じることもあります。私が以前飼っていた犬は庭で遊んでいる時に置いてあった玉ねぎを、目を離した隙に食べてしまいました。すぐに病院にいったため幸い命には別状はありませんでしたが、何度か嘔吐したあとしばらく震えがとまりませんでした。
ジステンパー
ジステンパーウイルスによる伝染病です。食欲不振や結膜炎などの他嘔吐や下痢、呼吸困難のほかに神経症状として震えが起きることがあります。ワクチンで予防できるので、接種しておきましょう。
チワワの病気を予防するためには?
大切な家族であるチワワの病気を予防するために、飼い主さんにできることがあります。遺伝疾患である病気は予防することは困難ですが、後天性の病気は日頃の健康管理によって予防可能です。
カロリーの過剰摂取には注意しよう
体の小さなチワワにとって肥満は健康管理の大敵です。欲しがるかわいいしぐさにまけて、ついおやつを与えたり、人間が食べるものを与えたりしているとカロリーの過剰摂取となります。
カロリーの過剰摂取で肥満になると、細くて華奢な足の大きな負担になりますし、心臓の働きにも影響を与えます。太らせないように、適正な体重を保つように気を付けてあげましょう。
きちんとお手入れをしてあげよう
定期的なブラッシングやマッサージでチワワの身体に触れることで、皮膚の異常や触られると痛いところなどを見つけやすくなります。お手入れにはきれいにする効果と、触れ合う効果、そして病気の早期発見効果が期待できます。
またお口の手入れも大切です。歯磨きも毎日やってあげましょう。上手にできないときは獣医さんに相談してみてください。
寒さには気を付けよう
チワワは夏が苦手なので、どうしても熱中症の方に気持ちが行きがちですが、冬の寒さも苦手です。寒さで震えることが多い場合、外出時は洋服を着せ、室温に気を配るようにします。
暖気は上のほうにたまり、チワワのいる足元は寒くなりがちなので、飼い主さんはチワワの高さにかがんで気温を確認してあげましょう。
まとめ
小さなチワワは勇敢で番犬になるくらい強い一面がある一方、かかりやすい病気もいくつかあります。日頃からお手入れタイムや散歩タイムに、チワワの様子を観察して体調不良はないか確認してあげると安心です。
ちょっとでも変だな、いつもと違うな、と感じたときは早めに動物病院を受診しましょう。定期健診やワクチンを動物病院で受けることも、チワワの健康管理には大切なことです。