この記事の目次
犬のストレスサインはなに?
人間がストレスを感じると同じように、犬もストレスを感じます。ただし、犬は人間のように誰かにイライラしたことをおしゃべりしたり、自分の好きな趣味でストレスを思いっきり発散することができません。
犬がストレスを感じていると、ストレス行動と呼ばれるさまざまな仕草や行動をとったり、体調不良を起こすことや病気になることがあります。
もし犬が緊張する、興奮する、怯えるといった犬のストレスサインに気がついたら、そのままにせず、ストレスケアをしてあげてください。
あくびをしたり目をそらす
犬は不安やストレスを感じると、自分を落ち着かせるためや、目の前の相手や物に対して「敵意はありませんよ。」という意思表示をして、緊張を解こうとするために、あくびをしたり、自分の鼻をペロリと舐めたり、目や顔をそらす仕草がみせることがあります。
もし犬を見たときに、あくびをしたり目や顔をそらす行動がみられたら、ストレスを感じているサインの可能性があるので、知らん振りをして、少し距離をとってあげましょう。
自分の尻尾を追いかける
犬がぐるぐると回りながら自分の尻尾を追いかける仕草もストレスサインの1つです。尻尾を追いかけるのが習慣になっていると、尻尾の毛が薄くなり、飼い主さんがいないお留守番中などに、尻尾を追いかけている可能性があります。
自分の体を舐めたり噛んだりする
自分の足を舐めたり噛んだりする、あるいは体をしきりに掻く行動は、犬のストレスサインです。暇になるとずっと舐め続ける、毛の色や皮膚の色が変色しているといった場合は、そのまま続けていると皮膚炎を起こして治りにくくなることがあるので、ストレス解消のためのケアを行なってあげてください。
飼い主さんが見ていられる状況なら、一緒に遊んであげるなど、舐めたり噛んだりする部位から少しでも気をそらすように導いてあげましょう。
犬は吠える動物ですが、吠えるという行動の中にも要求や不安、警戒、恐怖、ストレス、興奮、攻撃などの理由があります。人間と暮らす犬の場合、無駄吠えはご近所とのトラブルにもなりやすく、飼い主さんに多いお悩みです。
不安や恐怖、ストレスによって無駄吠えをしている犬に対して、体罰を与えたり、大声で叱ると、余計に犬のストレスになるので、犬が安心して過ごせるように日常の生活やしつけ方法を見直すことをおすすめします。
他にもあるストレスサイン
この他にも、犬のストレスサインには、震える、怯える、呼吸が荒くなる、急に走り出す、マウンティングをする、逃げる、唸る、攻撃する、同じところを歩き続ける(常同行動)などがあります。
犬がストレスを感じる原因は?
犬がストレスサインをみせているときは、その変化にできるだけ早く気がつき、ストレスを感じている原因を見つけてあげましょう。
外部の環境的な理由
犬が毎日生活している環境の中で、ストレスを感じていることがないかを確認してください。
(例)引越し、ペットホテルやトリミングに預けた、室内の温度、トイレの清潔さ、家族や犬が増えた、近くで工事など大きな音や騒音がある、しっかり眠れていないなど
空腹や運動不足
空腹感や運動不足は、犬の大きなストレスになります。空腹を満たして毎日運動させてあげましょう。適切なご飯の量を与えて、犬が楽しくなるお散歩を心がけてください。
留守番などの不安
犬は仲間意識の強い動物なので、飼い主さんや家族がいなくなり、1頭でお留守番をすることに強い不安を感じる犬もいます。
ストレスからくる体への影響は?
ストレスによって、下痢や嘔吐、血便、血尿、脱毛、食欲の変化、体調不良、ショック死などの症状を引き起こすことがあります。
食欲不振
食欲不振が続いている場合は、ストレスを感じているか、病気を抱えている場合があるので、獣医師に相談しましょう。
嘔吐や下痢
人間がストレスで気持ちが悪くなったり、お腹が緩くなってしまうのと同じで、犬もストレス反応として嘔吐や下痢を起こすことがあります。消化器系の症状が続くと犬の体もダメージを受けるので、動物病院に相談することをおすすめします。
血便や血尿
環境の変化や精神的なストレスによって、鮮血のついた血便や血尿が起こることがあります。血便や血尿はストレスだけが原因ではない可能性もあるので、速やかに動物病院を受診ましょう。
脱毛
ストレスよって舐めたり噛んだりすることで、部分的に起こる脱毛もあれば、病気が原因の脱毛もあるので、原因がストレスなのか、病気なのかを確認する必要があります。
犬のストレスを解消する方法は?
ストレスサインがみられた犬のストレス解消法をご紹介します。
飼育環境や食事を見直す
まずは、愛犬の過ごしている生活スタイルや飼育環境、食事を見直してみましょう。愛犬の過ごしている様子を1日、そっと観察してみると、犬が嫌がったり、ストレスサインを出していることに気がつくことができる可能性があります。
与えている食事の量が適切か、定期的に体重を量って愛犬の痩せ具合や太り具合、ウンチの状態をチェックしてみてください。
適度な運動とコミュニケーションをする
犬のストレス発散には、適度な運動とコミュニケーションが欠かせません。お散歩に行き、室内では一緒に遊び、適切な運動をさせてあげてください。
ストレスを発散させようと運動させ過ぎることで、余計にストレスや疲れを感じる犬もいます。シニア期に入った犬や持病のある犬などは、必要な運動量をきちんと確認しておくことが大切です。
ストレス発散できるグッズを活用する
どうしても外のお散歩に行けない日は、体でなく頭を使ってお部屋の中で夢中になれるおもちゃやストレス解消グッズ、知育トイを使って、一緒に遊んであげることをおすすめします。
まとめ
犬は人間のように話すことはできません。愛犬の些細な仕草や変化を観察する習慣があれば、ストレスサインや病気の症状にも早い段階で気がつくことができるでしょう。