猫のくしゃみは病気なの?
「猫のくしゃみ=病気」なのでしょうか?まずは心配ないと思われるくしゃみと、病気を疑うくしゃみについてみてみましょう。
単発は病気ではない可能性が高い
1日に2,3回など単発のくしゃみは、生理的な現象で病気ではない可能性が高いです。急な温度低下によるものや、たまたま鼻腔に入ったほこりを出そうとして生じたくしゃみと考えられます。
毎日連続鼻水も出るなら病気かも
毎日のようにくしゃみが出る、連続して何度も出る、さらに鼻水も出る、という場合は病気の可能性が高くなります。鼻血や目やになども要注意です。
猫がくしゃみをしていたらどうする?
猫がくしゃみをしていたら、飼い主さんはどうしたらいいのでしょうか?様子を見るだけでいいのか、動物病院を受診したほうがいいのか、くしゃみの回数と他の症状をチェックしましょう
病気が疑われるなら獣医へ
くしゃみが連続して出る、元気がない、鼻水が止まらない、鼻水に色がついている、目やにが出るというときは病気である可能性がかなり高くなります。
早めに獣医さんのところに連れて行きましょう。くしゃみをしているときの動画を撮っておくと、獣医さんに連れて行ったとき説明がしやすくなります。
免疫力が弱い子猫には特に注意
子猫がくしゃみをしているときは、特に注意が必要です。特に母猫からもらった免疫がなくなってくる生後3ヶ月頃は、さまざまな感染症にかかりやすくなっています。子猫がくしゃみをしたときは、動物病院を受診しましょう。
くしゃみだけで元気なら、様子見でも
たまたまくしゃみをしただけで、鼻水もなく食欲はある、元気はあるという場合は様子を見てもいいでしょう。ただしくしゃみが連続するなら、動物病院を受診するようにします。
猫のくしゃみから考えられる病気とは
猫のくしゃみからは、いくつか考えられる病気があります。くしゃみくらい、と思っていると思わぬ病気にかかっていることもあるので、注意しておきましょう。
鼻水も出るなら鼻炎の可能性がある
くしゃみとともに水っぽい鼻水が出ているときは、鼻炎かもしれません。症状が進むと鼻水が膿(うみ)のように粘ってくるので、呼吸するのがつらくなってしまいます。鼻が詰まると、匂いを感じられなくなるため食欲が低下します。
猫にもアレルギーがあるため、ほこりや花粉が原因となってくしゃみと鼻水が出ます。鼻の周囲が荒れたり、食欲が落ちたりするので診察をうけましょう。
涙・目やには猫クラミジア感染症かも
くしゃみとともに涙や目やにが見られたら、「猫クラミジア感染症」かもしれません。ひどくなると、呼吸器が炎症を起こしたり結膜炎になったりすることもあります。
猫クラミジア感染症の特徴は、感染力が強いことと「人獣共通感染症」であるため、人間にも感染する可能性があることです。多頭飼いの場合や、猫との接触が濃い飼い主さんは注意が必要です。
鼻血を伴うなら複数の病気が考えられる
くしゃみとともに鼻血も伴う場合は、クリプトコッカス症・鼻腔内の腫瘍・鼻咽頭ポリープ・副鼻腔炎のほか、血小板異常や多血症などの疾患が原因となっていることが考えられます。
鼻血の量や、どちらの鼻から血が出ているか、鼻の形が変わっていないかなどをチェックするとともに、早めに動物病院に連れて行きましょう。
鼻づまりもあるなら副鼻腔炎かも
鼻が詰まっていて呼吸がしづらそうなら、副鼻腔炎の可能性もあります。鼻の穴の奥には骨に囲まれ空洞になっている部分があり、副鼻腔と呼ばれています。副鼻腔炎は副鼻腔の中が炎症を起こすもので、鼻水が長引いたあとに続いて発症することが多くあります。
鼻が詰まると、匂いを感じなくなるため食欲が低下してしまい、元気もなくなってしまいます。
多頭飼いはカリシウイルス感染症に注意
猫カリシウイルスではくしゃみや鼻水とともに、発熱や口内炎を伴うことがあります。口内炎のため、よだれが出たり食欲が落ちたりします。猫カリシウイルスは感染力が強く空気感染もするため、多頭飼いのうち1匹がかかるとすぐ他の猫にも感染してしまいます。
猫カリシウイルス感染症は治癒した猫もしばらくウイルスを排出しますし、感染していても症状が出ていない猫もいるので、注意が必要です。
猫のくしゃみに対する治療方法とは
猫のくしゃみに対して、どのような治療方法がとられるのでしょうか?症状によって異なりますが、いずれの治療方法でも獣医さんの指示にしっかり従うことが大切ですね。
内服薬を飲ませる
くしゃみとともに鼻水を伴う場合は鼻水を止めるお薬、発熱している場合は解熱剤が出ることがあります。薬を飲ませるのが大変なこともあるので、獣医さんに猫に薬を飲ませるコツを聞いておきましょう。
点眼薬や点鼻薬などで治療
目やにがあるときは点眼薬、直接鼻に入れる点鼻薬で治療します。点眼薬や点鼻薬についても、猫が嫌がらないようにするコツを聞いておきましょう。
症状が重い場合は入院も
くしゃみだけでなく、熱がある、食欲が落ちて弱っている、肺炎を起こしているなど症状が重い場合は入院治療することもあります。
治療費に備えるならペット保険
症状によっては治療が長引いてしまうこともあります。治療費がかさむと、飼い主さんも大変です。あらかじめペット保険に入っておくと安心して治療に専念できます。
ただしすでに病気にかかっていて、治療中である場合は加入できません。また補償の割合などは人間の保険とは異なることもあるので、ペット保険会社に問い合わせて検討してください。
まとめ
猫のくしゃみ1回2回ならそれほど心配はありませんが、連続して出る、鼻水・目やにが出ているという場合は、動物病院を受診しましょう。たかがくしゃみ、と思っていても思わぬ病気が隠れていることがあります。
猫がくしゃみをしたときは、他に症状がないか、元気はあるかなどしっかりチェックしてあげましょう。