この記事の目次
猫の骨折にはどんな原因がある?
高いところから落ちたり、交通事故にあったり、ドアに足をはさんだりすることが原因になるほか、病気が原因で骨折することもあります。原因を知っておくことで、骨折を予防することができます。
ベランダ等からの落下
マンションやアパートのベランダから落ちてしまうことで、前足、後ろ足だけでなく顎を骨折することもあります。
また家の中でも、棚やタンスの上から落ちて骨折してしまうことがあります。受け身をとる時間がない中途半端な高さの家具から落ちたときが、骨折しやすくなります。カーテンに爪が引っかかり途中で落下することで、骨折することもあります。
他にも飼い主さんの後について回っているうちに、ドアや窓に足を挟まれた、飼い主さんに足を踏まれた、なども原因となります。ケージに足が引っかかってパニックになり、暴れて骨折することは子猫によくみられます。
外に出す猫なら交通事故の危険も
散歩にでることが習慣になっている猫や、たまたま家から脱走した猫は、交通事故が骨折の原因となることが多くなります。交通事故は、骨折以外に内臓を損傷し重傷になることもあります。猫を外に出すことをやめるほか、脱走には十分気を付けましょう。
まれに病気が原因のことも
骨の腫瘍、ホルモンの異常も骨折の原因となることがあります。他にも栄養バランスの乱れ、栄養不足による骨折があります。特に子猫には、バランスよく栄養をしっかり与えましょう。
骨折したか見極めるポイント
なんだか具合が悪そう、と思っても猫が飼い主さんの見ていないところで骨折していた場合は、見極めも難しいものですし、具合が悪いことを隠そうとする猫もいます。骨折を見極めるポイントはどこでしょうか。
手足をひきずる、ジャンプしない等
猫が骨折をした時に見られる症状に次のようなものがあります。交通事故など、場合によっては内臓に損傷を受けていることもあります。次のような様子が見られたら、骨折を含めた体調不良やケガを疑い、緊急で動物病院を受診しましょう。
・足を引きずって歩く
・地面に付けない足がある
・ジャンプをしなくなる
・うずくまってじっとしている
・元気がなく、食欲が落ちる(顎の骨折の場合、ごはんがちゃんと食べられなくなる)
・震えている
・骨折した周辺が、腫れて熱っぽくなっている
・猫に触れようとすると、怒ったり嫌がったりする
・骨盤骨折の場合は、排尿や排便ができなくなる
これらの症状がでていなくても、高いところから落ちたり、交通事故にあったりしたときは必ず動物病院を受診しましょう。
体を触って、痛がる所がないか確認を
骨折が疑われたら、そっと優しく体を触って確認してみましょう。痛がったり嫌がったりする、熱感がある、変形しているなどは骨折の可能性があります。嫌がる場合は、暴れて悪化する恐れがあるので無理をするのはやめましょう。
日頃から猫の全身をやさしくマッサージし、人に触られることに慣れさせておくと、具合が悪くなったときに役に立ちます。
骨折を放置するとどうなる?
軽い骨折だと、飼い主さんが気づかないうちに治癒する可能性もあります。しかし骨折を放置し自然治癒に任せることは大変な危険を伴います。
自然治癒は骨が変形する可能性も
自然治癒の場合、骨が不自然にくっつくことで変形する可能性が高くなります。変形してしまうと年を取るにつれ痛みが出て、歩くのが困難になってしまうことがあります。
骨折に気付かずにそのまま放置することのないように、猫の全身をチェックする他、定期的に動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。
骨折にかかる費用や注意点とは?
猫が骨折したときは、動物病院で治療してもらうことが必要です。費用はどのくらいかかるのでしょうか?また治療後の注意点も確認しておきましょう。
費用は20~30万円程度かかることも
動物病院ではレントゲンやCTを使って、骨折の状況を診断します。手術をして治療するか、ギプスを付けて治療するか獣医師が判断します。
手術を行う場合、折れた部分をプレートやピンなど金属で固定します。治療費は骨折した部位や状況によって異なりますが、20万~30万程度と思っておくといいでしょう。
手術後は安静にし、少しずつ運動を
手術のあとは猫を安静にさせることが必要です。元気になるにつれて動きたがりますが、再びケガをしないように少しずつ運動させるようにします。何よりも獣医師の指示にしたがうことが重要です。
ギプスはきつすぎないようにする
骨折の状況によっては、添え木を包帯で巻いて骨折部位を固定することもあります。ギプスの場合は「ギプスをきつく固定しない」こと、「万が一ギプスがずれたらすぐに動物病院に連れて行く」ことがポイントです。
まとめ
猫の骨折は、ベランダなど高いところからの落下、外にでたときの交通事故で起こりやすくなります。また外だけでなく、家のなかでも骨折する危険性があります。家具やカーテンから落ちた、ドアや窓に足をはさまれた、飼い主さんに足を踏まれた、などが原因となります。
ベランダからの落下や交通事故による骨折予防として、まずは猫が外に出ないよう対策をします。また家の中では家具の上に上がれないようにしたり、カーテンにひっかからないよう爪を切ったりするほか、ドアや窓に挟まれたり、足を踏んだりしないよう注意してあげましょう。
ちゃんと歩けない、足を痛がるなど猫の様子がおかしかったら骨折の危険性があります。動物病院に至急連れて行き、診察を受けましょう。